上棟式での施主の挨拶について
ご近所との言葉の例文について
ポイント:近所の人に対しては、工事中の騒音などによる迷惑をわびる言葉は欠かせない。
近所の人:本日は棟上げですね。おめでとうございます。素晴らしい上棟式になりそうですね。これは気持ちばかりのお祝いです。
施主:お休みのところ、わざわざおいでいただいたうえ、お祝いのご心配までしていただき、ありがとうございます。何かと騒々しくて、近所の方々にはご迷惑をおかけしています。申し訳ありません。
近所の人:いえいえ、お互い様ですよ。それより、立派な家ができそうですね。いま流行の二世代同居の三階建てですね。
施主:工務店のすすめなんです。老後のことも考えてエレベーターもつけることにしました。
あちらに簡単な席を用意しましたので、どうぞ一杯召し上がっていってください。お向かいの佐藤さんや木村さんもお見えになっていますから。
棟上げでの乾杯の例文について
ポイント:「粗餐」の代わりに、「形ばかりの席」「心ばかりの膳」などの言葉に言い換えてもよい。
本日は、せっかくの休日にもかかわらずお越しいただき、ありがとうございます。
上棟式というと大げさですが、ここまで工事が進みました。「今後はあまり騒音を立てることもなくなります」ということをご報告するつもりでお招きいたしました。
形だけの席ではございますが、いっとき、のどを潤していただいて、工事の進捗状況などをご覧いただければ幸いです。
なお今度の家は、いわゆる二世帯住宅で、現在近くに住んでおります両親も呼んで、いっしょに暮らす予定にしております。
これからは、地域の皆様には、老夫婦のことで余分なお手間をかけることが多少は減るのではないかと思っております。
以上、簡単ですが、上棟のごあいさつにさせていただきます。
「乾杯」
どうもありがとうございました。
意味について
建物の土台ができ、柱や梁を組んで棟木を上げる段階で「上棟式」を行ないます。「棟上げ」「建て前」とも呼ばれます。
これは、新築の建物に災いが起こらないように祈る「厄払い」の意味を持つもので、仮に地鎮祭を省略しても、上棟式は行うのが普通です。
マナーについて
当日は、棟の上に「弊串(へいぐし)」という魔除けの飾り物を立てます。北東(丑寅)の方向が「鬼門」とされているので、そちらを向けて立てるのがしきたりです。
飾り物一式は、「上棟式セット」などの名前で市販されているものを準備するか、棟梁あるいは工事担当者に相談して、手配してもらうとよいでしょう。
祭壇は、玄関となるあたりにしつらえます。そして、
・祭壇に供えるお神酒一升
・洗米と塩、各一合
・海の幸(尾頭付きの魚、こぶ、するめ など)
・山の幸(野菜、果物 など)
などを供えます。
流れについて
当日は、神主を招くのが正式ですが、最近では棟梁が代行するケースが増えてきました。
神主(または棟梁)は、お供えに「二礼二拍手一礼」して、米と塩を現場の地面にまき散らします。そして、お神酒を四方の柱の根元にかけて清めます。
地域によっては、このとき、近所の人を集め、棟の上から、硬貨を紙に包んだ「おひねり」や、もちを縁起物としてまくこともあります。
そのあとは、地鎮祭のときと同様、祝宴を開いて、工事関係者にご祝儀を配ります。棟梁がお祓いを代行する場合は、地鎮祭のときよりも多めのご祝儀を棟梁にお渡しします。
施主が用意するものについて
上棟式を開くにあたり準備するものは、
・「上棟式セット」などの名前で市販されている飾り物一式
・祭壇に供えるお神酒一升
・洗米と塩、各一合
・海の幸(尾頭付きの魚、こぶ、するめ など)
・山の幸(野菜、果物 など)
・棟梁や工事関係者に渡すご祝儀
・地域によっては、近所の人を集め、棟の上からまく、五円玉を紙に包んだ「おひねり」
・地域によっては、近所の人を集め、棟の上から餅をまく、「餅まき」
・上棟式の終了後に開く祝宴のための料理やお酒(最近は、乾杯だけですませ、持ち帰りようの折詰と清酒を用意して配ることも多いようです)
などがありますので、建設会社などの現場の責任者とあらかじめ相談しておいてください。
ご祝儀の金額の相場について
上棟式に工事関係者にご祝儀を渡す際の金額の目安です。贈る相手や、地方によって若干金額が変わってきますので、工事関係者に確認してください。
贈る相手・・・金額の目安
大工の棟梁・・・1万~1万5千円
その他の工事関係者・・・3千~5千円
祝儀袋の書き方について
上棟式の際、工事関係者にご祝儀を渡す際の、祝儀袋の書き方は以下のようになります。
水引:紅白の蝶結び
のし:あり
表書き/上書き:「御祝儀」
表書き/名前:上書きよりやや小さめの文字で姓のみ
また、こちらの略式の祝儀袋でも大丈夫です。
「冠婚葬祭 常識事典」より
「冠婚葬祭 暮しのマナー大百科」より
「短いスピーチ実例集」より