地鎮祭の意味について
基礎知識について
「地鎮祭」は、工事の開始時に行なう儀式です。これは、敷地を清めて土地の神様を鎮め、工事の無事と将来の末永い繁栄を祈るものです。
実際の段取りは、工務店、建築会社など工事関係者がくわしいので、おまかせしてよいでしょう。
当日は、お祓い、祝詞奏上、玉串奉奠などの儀式を行ないます。
その後、出席者でお神酒をいただき、簡単な祝宴を開くのがならわしです。施主は玉串奉奠を行なうので、事前に捧げ方をおさらいしておきましょう。
費用の相場について
地鎮祭にかかる費用は、主に「地鎮祭の費用」と「神主への初穂料」を合わせた金額が目安となります。
地鎮祭の費用:1万~5万円
地鎮祭では、神饌料、テントなどの設備一式、海の幸、山の幸などのお供え物に費用がかかります。
神主への初穂料:1万~2万円
施主が準備するものについて
当日のために準備するものについては、工事の担当者と打ち合わせます。祭壇やしめなわなど、祭事に必要なものは、神社側で用意してくれます。
一般的に、施主側が準備するものは、
・祭壇に供えるお神酒一升
・洗米と塩、各一合
・供え物の海の幸(尾頭付きの魚、こぶ、するめ など)
・供え物の山の幸(野菜、果物 など)
・神主へのお礼(御神饌料)
・工事関係者へのご祝儀
・工事関係者のための飲み物とおつまみ
などです。
棟梁や職人へのご祝儀について
ご祝儀は、棟梁ほか、大工さんやとび職人の人数分を用意します。
棟梁へのご祝儀の相場:1万~1万5千円
職人へのご祝儀の目安:5千円
流れ(住宅の式次第)について
地鎮祭の流れは以下のようになりますが、まずは地元の神主、家族、工事関係者などと、地鎮祭の日をいつにするのか決めるのが、一番先決です。
神式の一般的な地鎮祭の流れは次の通りである。
1.手水(てみず、ちょうず)
神事の会場に入る前に手水桶から掬った水で両手を洗い、心身を浄める。
2.修祓(しゅばつ)
開式の後、祭に先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式。
3.降神(こうしん)
祭壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。神職が「オオ~」と声を発して(「警蹕(けいひつ)」と言う)降臨を告げる。
4.献饌(けんせん)
神に祭壇のお供え物を食べていただく儀式。酒と水の蓋を取る。
5.祝詞奏上(のりとそうじょう)
その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上する。
6.四方祓(しほうはらい)
土地の四隅をお祓いをし、清める。切麻(きりぬさ)・散米(さんまい)とも言う。
7.地鎮(じちん)
斎鎌(いみかま)を使った刈初(かりそめ)、斎鋤(いみすき)を使った穿初(うがちぞめ)、斎鍬(いみくわ)を使った鍬入(くわいれ)等が行われる。設計・施工・建主に振り分ける事が多い。鍬入の儀とも言う。
8.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神前に玉串を奉り拝礼する。玉串とは、榊に紙垂を付けたもの。
9.撤饌(てっせん)
酒と水の蓋を閉じお供え物を下げる。
10.昇神(しょうしん)
神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。この後に閉式が行われる。
11.神酒拝戴(おみきはいたい)
直会の前に行われるケースもある。土器(かわらけ)の杯にお神酒を注ぎ、神職の合図で乾杯を行う。
12.直会(なおらい)
地鎮祭の式次第が終了したら直会を行う。当地でお神酒で乾杯し、お供え物の御下がりを食する。
神事とは別に直会の場を設け、業者が用意したビール等の飲み物、仕出しの弁当等を出したり、料理店の宴会場を貸し切って祝宴が催される場合もある。
祝宴について
当日の祝宴に際しては、施主は、大工さんたちのために、お酒やソフトドリンク、簡単なおつまみや軽食などを準備しておきます。
ただ、最近は車で移動する職人さんが多く、お酒は必要ない場合もありますので、事前に担当者などに様子を確かめておきましょう。いずれにしろ、祝宴のあとは工事を行なわず、お開きになるのが通例です。
ご近所への挨拶回りについて
工事が始まると、騒音や工事車両の通行などで近隣に迷惑をかけることがあります。地鎮祭の前後に、工事担当者とともに、菓子折り程度の品をもってあいさつに回るのが礼儀です。
その際、問い合わせや苦情の宛先として、工事担当者と施主の連絡先を伝えておきます。
☆挨拶まわりでののし紙の書き方
水引:白一色、または白封筒
のし:なし
表書き/上書き:「御挨拶」など
表書き/名前:上書きよりやや小さめの文字で姓のみ
「冠婚葬祭 常識事典」より
「冠婚葬祭 つきあいとお金」より